乗鞍エコーラインヒルクライムに初挑戦!【ロードバイク】
ロードバイクを始めて2回目のヒルクライムで無謀にも乗鞍エコーラインに挑戦してきました。
目次
乗鞍エコーラインを自転車で走る
7月1日は乗鞍エコーライン(長野県側)の開通日です。
乗鞍エコーラインとは乗鞍高原観光センターを出発し畳平までの全長20.5km、標高差1260m、平均勾配6.1%を自転車で走ることができます。通年マイカー規制が実施されており、観光バスやタクシー、一部の許可車両のみが通行を許可されている観光道路です。
ゴール地点の標高は国内舗装道路最高点の2,720m。
自転車で行くことができる日本で一番高い場所。
サイクリストにとっての富士山が乗鞍岳です。
そして、ヒルクライムのレース マウンテンサイクリングin乗鞍が開催されるのが、乗鞍エコーラインということで、ロードバイクに乗り始めて9ヶ月の初心者の僕が、無謀にも「一人マウンテンサイクリングin乗鞍」をしてみることにしました。
こういうと大袈裟ですが、タイムトライアルをする気は初めからありません。
自転車で畳平まで行く事にロマンを見出し、乗鞍岳の絶景をゆっくりと堪能することが今回の旅の目的です。
また、サイクリング後のお楽しみの温泉として「乗鞍高原温泉湯けむり館」での入浴も目的のひとつです。
乗鞍高原観光センター駐車場
2019年7月5日(金) まだ暗い内に自転車を車に積込んだ後、自宅を出発して乗鞍高原観光センター駐車場を目指しました。
途中の上高地乗鞍スーパー林道でイノシシを間近で目撃しつつ、無事に駐車場に到着しました。
まだ時間が早いからでしょうか、はたまた平日だからでしょうか。自転車乗りの方は、ほとんどおらず、目に入るのは登山客の方ばかりでした。登山客や普通の観光客の方は、ここから畳平行きのバスに乗り込みます。
僕は自転車を車から降ろし、準備を始めました。
朝早くということと標高が高いからでしょう、肌寒さを感じます。
ヒルクライム開始
じっとしていると体が冷えるばかりなので、早めにペダルを漕ぎ始めて、体を温めようと思いました。
まずは、三本滝レストハウスを目指します。
早朝の高原特有の清々しい空気を感じながら登り始めました。
まだまだ勾配も緩やかな道を淡々と走ります。しかし、早々に若干の違和感を感じ始めていました。
緩やかな勾配でウォーミングアップ程度でペダルを回している筈なのに、心拍数の上昇を感じて早くも息が上がり始めるのを感じていました。この時に頭をよぎったのは12年前の2007年に乗鞍岳剣ヶ峰登山時に高山病になった記憶でした。(僕は体質的に高山病に罹りやすく富士登山では何度も大変な目に遭っています)
スタート地点の標高は1,500m程度とはいえ、空気の薄さを体は敏感に感じていたのかもしれません。高原を走る気持ち良さとは裏腹に不安が大きくなっていきました。
ペースを上げ過ぎない事と深い呼吸を意識しながら走り続け、視界が開け始めると乗鞍エコーラインを走っているという実感が改めて湧いてきました。
しばらく走ると1つ目の休憩ポイント、三本滝レストハウスに到着しました。
三本滝レストハウス
到着はしたものの休憩をするにはまだ早いと思い、早々にレストハウスを後にしました。
ここから先は、マイカー規制区間なので基本的には一般車の通行は無く、基本的にはバスやタクシーのみとなります。時々、通行許可車両が走っていますが、その数は多くはないので、今まで以上に快適に走る事ができました。
この先は冷泉小屋と位ヶ原山荘を目指します。
所々、勾配が急な箇所も出てきます。写真撮影と称しての休憩も増えていきました。
この辺りに来る頃には自転車乗りの方の姿を度々見掛けるようになってきました。挨拶を交わしながら進んで行き、位ヶ原山荘に到着しました。
位ヶ原山荘
ここでは、自転車乗りの方が何人か休憩をしていました。
その中で、先ほど挨拶を交わした方達も居り、自然と会話を始めていました。その時お話しをした、和歌山県から来たという2人組の方は、今年のマウンテンサイクリングin乗鞍に参加を予定しており、下見を兼ねて登っているという事でした。そして、天候がさらに良くなる事を願いながら、お互いのタイミングで出発して行きます。
次の目的地は大雪渓です。
ここから大雪渓までの間は、雲間から青空が時折覗くようになってきました。視界が晴れた時の景色は、それはそれは美しく目も心も奪われてばかりでした。
雪渓と雪の回廊
この辺りになると疲労もピークを迎え、足を止める回数が多くなってきました。
しかし、所々に残る雪渓に驚きを感じたり、除雪した後の雪の回廊を目の当たりにすると、感動すら覚えました。こんな風景に、自分の足で漕いできた自転車で出会えたという経験は、何とも嬉しく誇らしい気持ちになりました。
そして、大雪渓に到着しました。
大雪渓
まだまだ雪の量は多く、数多くのスキーヤーやスノーボーダーが天然の雪を堪能している姿を見る事ができました。こんな真夏なのに目の前に広がる真冬の景色は、何とも不思議な感覚を覚えました。
いよいよ次の目的地は、ゴールの畳平です。
この雪景色に見惚れている内にいつのまにか体の疲れも忘れていました。
更に上を目指して進み始めると、山頂の景色がはっきりと見えてきました。天気は確実に良くなって来ており、雲間から晴れ間が覗く回数も増えてきています。
延々と続く絶景と間近に見える山頂の美しい景色を存分に味わいながら幸せな時間を過ごしていました。
もちろん、下半身の疲れはピークを超え、無理をして足が攣らないように細心の注意を払いながら、足を止めつつ、ゆっくりと進んで行きました。
そして遂に長野県と岐阜県の県境に到着しました。
畳平到着
ここまで来ると、急な登り坂は終了します。
県境を越えると日本一標高の高いバス停がありました。ここが、正真正銘自転車で来る事が出来る日本で一番高い場所。自転車乗りにとっての富士山山頂。そんな所に今、自分が立っている感動と達成感に包まれていました。
その後、畳平バスターミナルまで移動し、ゆっくりと休憩をしました。
畳平では、オコジョの写真撮影に来ているという方と、しばらく雑談を交わしました。その方も愛知県から来ており、何日も宿泊しながら写真撮影をしているということでした。そんな風に立ち話をしていると、体の冷えを感じて来たので、お別れの挨拶をして下山を開始します。
下山開始
ウィンドシェルを羽織り、グローブも防風タイプに変更しました。
畳平では、天候も良く美しい景色を写真に収めることができました。
いよいよ下山開始です。
気持ち良く快調に進んで行きます。寒さについては、ウィンドシェルのお陰で何とか凌ぐ事ができました。あれ程苦労して登ってきた道を、ぐんぐんと加速してあっという間に駆け抜けて行く快感はひとしおでした。
ものの数十分で、季節は真冬から夏へと逆戻りです。
もちろん、乗鞍バスターミナルでも下界に比べれば随分と涼しいのですが、畳平と比べるとまた別物です。
下山時にも位ヶ原山荘と三本滝レストハウスに立ち寄りながら、乗鞍バスターミナルまで無事に戻ってきました。
乗鞍高原温泉湯けむり館
自転車を車に積み込んだ後は、お楽しみの温泉です。
予め調べておいた、乗鞍高原温泉湯けむり館に向かいます。湯けむり館で硫黄の香りに包まれながら白濁の温泉に浸かり、最高の癒しの時間を過ごしました。そして併設のレストランで昼食を食べました。
駐車場に向かうと、位ヶ原山荘で会話をした自転車乗りの方達と再会し、お互いに無事に畳平まで到着し下山出来た事を報告し合いました。
時刻は14時を過ぎていました。
松本城へ
下山後の観光として、当初は諏訪大社と松本城を計画していましたが、時間的に厳しいので松本城のみに決めました。
そして松本城まで車を走らせ、何とか開城時刻にも間に合い、松本城観光を楽しむことができました。初めて訪れた松本城は、その圧倒的なスケールに感動し時間の許す限り見学と写真撮影をして、僕の初めての乗鞍エコーライン挑戦と松本城観光は幕を下ろしたのでした。
松本城御城印
頒布場所 | 松本城管理事務所 |
料金 | 300円 |
説明 | 上:戸田光則 花押 下:戸田光行 花押 |